マッサージ してけろ !
こんにちは。リラクゼーション ねこのて です。
過去によく言われた言葉「マッサージしてけろ(マッサージしてちょうだい)」。 その時はリハビリが本業でしたので、リハビリよりもマッサージをしてほしがる患者様には「リハビリとマッサージは違いますよ」とよくお答えしていました。
また、職場でカルテを書いていた時に先輩から「マッサージは治療内容に入らないよ」と言われたことがありました。表記のしかたは、マッサージ以外の治療を記載したり、リラクゼーションという表記にしたり、職場や指導者によって様々だったように思います。その頃は、あ、そうなんだ?位にしか思っていませんでしたが、開業を決意したところで、あれ、マッサージってなんだ?私がこれからやりたいことはなんだ?ということが疑問に上がってきました。
今回は様々な業種の仕事や法律にも触れ、これまでやってきたこと、今やっていることを振り返りながらマッサージの意味や意義について考えてみたいと思います。
マッサージ に 必要 な 資格 とは?
結論から言いますと、「 マッサージ 」の仕事をしたい場合に 必要な 資格 は「 あんまマッサージ指圧師 」という 国家資格 です。そのほかの資格では法律上「マッサージ」という行為はできないということになります。
しかし一部の資格に例外があるようです。
マッサージ の定義
マッサージ とは何か?とりあえず検索してみました。
コトバンク【マッサージ】
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B8-136587
マッサージと一口に言っても、いろいろやり方があるようです。これによると、やはり基本的にはあん摩マッサージ指圧師が行うものとされているようですが、例外的に、理学療法士もマッサージが行えるようです。そのことについては療法士の法律である以下の法律にも定められています。
第四章第十五条第二項
理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。
しかしマッサージ、カイロプラクティック、整体、整骨院、リラクゼーションなどなど似たものもあり、何をマッサージと言うのかこれだけではよくわかりません。
マッサージの定義はないのでしょうか。日本あんまマッサージ指圧師会のホームページに答えがありました。
大事なところだけ抜粋すると、マッサージとは
施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ばし、又は及ぼすおそれのある行為
引用元:日本あんまマッサージ指圧師会ホームページより一部引用
ということだそうです。あれ、じゃあ、やっぱりリハビリとして今まで行ってきた治療もマッサージではなかったのかな、と思います。そんなに体重をかけて行う治療はしてこなかったですし…
ちなみにこの定義は厚生労働省が長崎県福祉保健部長の問い合わせに対して回答した内容だそうです。
なぜこのような回答がされたのかというと、無資格者による施術のために起こった事故が多発しているからのようです。
実際に事故報告が多くありました。
参考:総務省HP(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業) PDF
https://www.soumu.go.jp/main_content/000717040.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000717043.pdf
これによると無資格者の事故だけではないようですが、こういった医療行為にはある程度のリスクがあるのは仕方がないところもありますよね。だから最近医療従事者にも説明と同意について重要視されているんですね。
ともかく、こういった背景から、治療や施術を受ける人に「痛み」や「危険」がないようにすることが大前提にあるようです。
法律 から見た、 マッサージ ができる職業とは?
さて、では マッサージ を行っていい職業とは?
前項目で理学療法士等の法律から、理学療法士はマッサージという手技が使えることがわかりました。しかしあくまで治療の一環として医師の指示が必要となります。
そして冒頭でお話した通り、マッサージはあんまマッサージ指圧師が行うというきまりになっているようです。
以下、あはき法と呼ばれる、マッサージ専門の職種の方々の法律に詳しく書かれています。
第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
第十二条 何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。
つまりそれぞれの仕事はそれぞれの免許を持った人しかできないということですね。
そして「医療類似行為」が許される人はあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師に加えて柔道整復師だけということになるかと思います。理学療法・作業療法士は「診療の補助」が行える職種とされています。
ちなみに柔道整復師の方々の法律も別にあります。が、こちらにはマッサージという言葉は出てきていません。あくまでも柔道整復(骨折や脱臼・打撲・捻挫・挫傷の整復、固定)が専門のようです。
日本柔道整復師会のホームページでもマッサージは業務の範囲ではないことを説明しています。
参考:柔道整復師法 e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC1000000019_20160401_426AC0000000069
ここまでをまとめると「マッサージ」という言葉にに限局すれば、「マッサージ」と呼んでよい手技を使っているのは、あん摩マッサージ師と理学療法士ということになります(ただし、理学療法士は医師の指示がある場合)。

意外と狭いんですね、マッサージの領域は。
ただし、リハビリの人たちがメインで行うのはあくまでも「運動」であり、「マッサージ」はいち治療、または運動のための準備にすぎないものと思っています。そういったところに違いがあるのではないでしょうか。
また先ほどもお話した通り、これまでに人体に危険を及ぼしたり、痛みを感じるほどの強さでの治療をしたことがない(目的や場合にもよりますが、むしろ個人的にはそれは逆効果だと思っています)ので、私が今までリハビリの仕事の中でやってきたことは定義上ではマッサージとは言えないのでしょう。
整体 やリラクゼーション等とマッサージ関連の職種の違いですが、これは単純に資格の違いとなります。
あんまマッサージ指圧師をはじめ、これまで出てきた鍼灸師、柔道整復師、理学療法士または作業療法士は、すべて国家資格です。その資格を持った人しかその名前を使えないことになります。
リラクゼーションや整体師等の資格は民間資格または無資格となります。表記も様々なものがありますが、上記の資格が含まれる施術や表記はできないことになりますし、人体に影響を及ぼす心配のない施術だけが許されているということになると思います。
整体 ・リラクゼーションとの違い

医療類似行為ではできないことをカバーするような意味合いで発展してきた手技もあるようですから、国家資格と民間資格では一概にどちらが良いとは言えないと思いますが、人によっては人体のしくみを理解しないまま施術を行っている方がいるかもしれません。それはとても恐ろしいことだと思います。
そういったことを防ぐために法の整備も検討されているようですが、中々進まないのが現状のようです。
当店で行っている施術はリラクゼーションです。
理学療法士・作業療法士は国家資格ではありますが開業権を持ちませんので、医師の指示なく療法士として仕事をすることや、リハビリを行うことはできません。
ですが療法士として関われるのは、医療保険や介護保険の適応になる方だけです。身体のつらさ、痛み、こわばりなどに悩む方はそのほかにもたくさんいると思います。
これまでの勉強や臨床の経験から身体のつらさの多くに、筋肉の緊張が関与していると感じており、この緊張を緩め、ほぐすのが身体を楽にするために有効と考えていますので、緊張を緩める「リラクゼーション」を生業にしようと考えました。また、緊張を緩めることで筋肉は正常に近い状態で働けると考えます。うまく働けていなかった筋肉を働けるようにし、そのうえ身体をことが再発防止になると考えています。toutenn
まとめ
① マッサージ とは、
施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ばし、又は及ぼすおそれのある行為のことをいう
②「 マッサージ 」 を行えるのは
あん摩マッサージ師と理学療法士(ただし、理学療法士は医師の指示がある場合)。
「医療類似行為」を行えるのは
・マッサージ→あんまマッサージ師
・はり・きゅう→鍼師・灸師
・骨折や脱臼・打撲・捻挫・挫傷の整復、固定→柔道整復師
③ 整体 ・リラクゼーションとの違いは
あんまマッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士・作業療法士は国家資格
整体 ・リラクゼーション等は民間資格または無資格
どの職種の方もお客さんの身体をよくしたという思いは一緒だと思います。
それぞれの職種にできること・できないことや得意なこと・不得意なことがあると思いますので、目的に合わせてかかる施設を選ぶことが大切かもしれませんね。
当店では、これまで作業療法士として働いてきたスキルを活かし、身体に負担をかけない、痛みの少ない施術を行っています。身体をゆっくりほぐし、筋肉が本来の活動に近い動きができるようにしていきます。
ねこ背、肩こり、腰痛、足のむくみなどにお悩みの際はぜひ一度ご相談ください。